掃除・洗濯・料理に当てはまらない家事を「名もなき家事」と呼び、主婦の間で話題になっているのはご存知でしょうか。
たとえば「脱ぎっぱなしの服を回収する」「子どもがこぼした水を拭く」といった、家事に値しないレベルの内容を指したりします。
家事とは言い難いレベルでありながらも「これで1日が終わるとうんざり・・・」という部分に主婦であれば大きく共感するものです。
そんな「家事にうんざりしてる」と感じている主婦達による「名もなき家事」リストを大調査!
どれも「わかる!」と大きくうなずく内容かつ、クスッと笑えるものばかりです。
家事ストレスがたまっている主婦の方はぜひ、名もなき家事をなくす対処法まで読んでくださいね。
「名もなき家事」とは?
「名もなき家事とは一体何?」と気になる人もいますよね。
そもそも「名もなき家事」という言葉の元ネタや、広まったきっかけについてまずは触れてみましょう。
なぜこの言葉が主婦の間で支持されているのかが、より納得できるはずです。
生みの親はハウスメーカーの「大和ハウス」
「名もなき家事」という言葉を知るきっかけになったのが、ハウスメーカー大和ハウスによる「名もなき家事ランキング」を発表したことです。
ちなみに大和ハウスは「名もなき家事」の商標登録まで済ませており、まさに「名もなき家事」の生みの親でもあります。
主婦たちが日々感じている陽の当たらない「こんな家事」をアンケートによって調査し、それをランキングで発表したところ「わかる!」と共感されたのがブームの大元です。
大和ハウスでは、そんな名もなき家事を含んだ「家事年収シミュレーター」も公式サイトからシミュレーションすることができます。
「トイレットペーパーを交換する」「食卓を拭く」といった、地味な家事も項目に入れている細かい設定も話題となり、主婦が家事の対価を考えるきっかけにもなりました。
「私の年収はいくらなんだろう?」と気になる人は、ぜひ家事年収シミュレーターを試してみてください。
名もなき家事の2つの特徴
「名もなき家事」の大きな2つの特徴と言えばこれ。
- 評価されにくい
- 達成感がない
家事と言えるものでもなく、家族からほめられることもなく。
それでいて達成感がないので、疲労だけが残るという残念なことばかりなのが大きな特徴です。
そもそも家事だと認識されないほどその存在感も薄く、感謝されることもほぼありません。
本「名もなき家事」が登場
2019年9月に、コピーライター梅田悟司氏による「やってもやっても終わらない名もなき家事に名前をつけたらその多さに驚いた。」という本が発売されました。
著者が育休中に体験した名もなき家事をリストアップしたら120種もあがり、そのうち70種に命名をしたと言います。
そんな著者梅田氏のこちらのツイート。
育休を4ヶ月取得して感じたこと
・授乳以外は男性もできる
・子ども慣れしてないは甘え
・子育ては2人でやってちょうどいい
・名もなき家事多すぎ
・育児での凡ミスは死に直結
・24時間、緊張状態が続く
・会話できる大人は命綱
・職場の方が落ち着く
・仕事の方が楽
・仕事の方が楽
・仕事の方が楽— 梅田悟司/『名もなき家事に名前をつけた』9/17発売! (@3104_umeda) April 11, 2019
「仕事の方が楽」と3度繰り返したこのツイートには13万件以上の「いいね!」がつきました。
身をもって「名もなき家事」のつらさを知り、その家事を「見える化」に挑戦して形にしたのが本だということです。
命名された「名もなき家事」の一部
タイトルの通り著者は「名もなき家事」に命名をしていくのですが、その名前がどれも思わず笑ってしまう名前ばかりなのがこの本がブームになったポイント。
毎日毎日やってくる家事に名前をつけるだけで、なんだか愛着が湧いてくるのも不思議なんです。
「主婦だからやって当然」といった空気を打破してくれるような破壊力もあり、主婦のモヤモヤ感を整理整頓してくれる、そんな名前の一部をご紹介します。
家事渋滞
「家事渋滞」とは、計画を立てた家事が予想外のハプニングによってペースを乱されてしまい一気にやる気ダウンさせることを指します。
掃除、洗濯・・・と順調に済ませるはずが、「子どもがコップを倒して床が水びたし」といったプチハプニングによって1日のペースが崩れた経験、身に覚えがあるのでは。
手料理スルー
「手料理スルー」というのもあります。
これは、スーパーの惣菜だけでは悪い気がするので1品だけおかずを手料理したところその料理だけ残ってしまった・・・という、残念な経験談から生まれています。
家事無限ループ
「家事無限ループ」は、名前の通り「終わりのない家事」を差し、気づいたら夜になっていたような日に該当します。
相方探し
「相方探し」というお茶目な名前は、洗濯後の行方不明になった靴下の相方を探しまわる・・・というこれまた「あるある」と感じる行動のことです。
家事と言えるものでもないけど、これがしょっちゅう続いてしまうとうんざりするのが「名もなき家事」の特徴ですね。
SNSで大調査!主婦たちによる「名もなき家事」リスト13選
「みんなの名もなき家事をもっとしりたい!」という方のためにも、SNSで大調査してみました。
どれもこれも「よくわかる」と大きくうなずく「名もなき家事」ばかりを発見!
「わたしだけじゃなかったんだ!」と少しでも共感できるので、ぜひ明日への活力にしてみましょう。
そんな主婦たちによる「名もなき家事」リスト13選をまとめて紹介します。
(1) 夫が片付けないしょう油を戻す
「しょう油取って」と言われて差し出しすと、決まって片付けるのは自分だった・・・こんな経験は主婦の方であればしょっちゅうなのではないでしょうか?
台所に取りに行って、それをまた戻すという作業はまさに「名もなき家事」ですね。
しょう油以外にも、ソースやケチャップ・・・といった調味料が増える分、主婦の家事は積み重なっていきます。
(2) 食器を水につける
主婦が願うのは、「食べたら水につけてくれ」というものです。
食器洗いとひと口で言っても、洗う前の予洗いがあり、洗ったあとの皿拭きや片付けといった面倒な作業がそこには含まれていますよね。
もしカレーやシチュ―の鍋がそのまま放置されていたら?
洗う時間ものびてしまい、主婦の自由時間がうばわれてしまいます。
(3) ベルマークを切り取る
ベルマーク収集のために小さなマークをはさみで切り取る作業って、細かいし職人のようにはさみを動かす必要もあったりと見た目以上に面倒なんですよね。
つい後回しにすればひたすらはさみを動かす事態に発展する、こんな家事にも名前を命名したくなります。
(4) 電球の交換
電球が切れた暗い部屋に「替えの電球」を置いておいたにも関わらず、電気のスイッチを入れても真っ暗闇のまま。
面倒なことは妻がやる、お母さんがやるのが当たり前だと思っているのでしょうか。
「#何から何まで」というタグに怒りが込められている、そんな投稿です。
(5) 弁当箱と水筒を洗う
「弁当を作る」という家事があれば、必ず「弁当箱を洗う」という家事もついてきます。
洗ってくれることがベストですが、せめて「漬け置き」という家事ぐらいやって欲しいというのが主婦の願いです。
さらに洗うのが面倒な「水筒を洗う」という家事も主婦の主婦の仕事なのでしょうか?
そんな名もなき家事が毎日続けば、怒りが爆発する日も近いですね。
(6) トイレットペーパーの芯を捨てる
「トイレットペーパーのー芯を捨てる」という名もなき家事をやり続けている主婦の方も多いのでは?
トイレットペーパーは交換するのになぜ芯を捨ててくれないのか、そんなようすがよくわかる投稿です。
この家事にもぜひ名前をつけてみてください。
(7) お名前シールを貼る
「子どもの持ち物にお名前シールを貼る」「鉛筆の整理をする」も、名もなき家事なのかもしれない・・・と気づいた主婦からの投稿。
お名前シール貼りは細かさを極め、子どもの鉛筆の整理もまた終わりが見えない作業ですね。
ゴールがありそうでないという、これもまたキリがない切なさが漂う内容です。
(8) ペットボトルを分別して捨てる
「ペットボトルの分別」こそ頻繁に起こりえる名もなき家事でしょう。
どの家庭でも起きやすく、「自分で最後までやってよ!」と怒り沸騰になっている主婦の方は多いのでは?
洗って乾かしてラベルを剥がして潰して捨てる、さらにペットボトルキャップはスーパーのリサイクルコーナーに持ち込むといった、考えただけで労力のいる家事なんですよね。
(9) 扇風機を片付ける
夏の風物詩である扇風機は、夏が終われば出番をなくしてしまいます。
すると「扇風機を片付ける」という名もなき家事が主婦をおそってしまいますよね。
ほこりがついた羽や部品を分解して洗って乾かして、また組立て押し入れにしまうという作業を毎年繰り返す役目はいつから主婦のものになったのでしょうか。
(10) 増えていく靴をしまう
放っておくと足の踏み場もないような玄関になるのはなぜでしょうか。
そんなときに「靴をしまう」という名もなき家事を行わないといけなくなるのは、主婦だから仕方がないようでモヤモヤが残りますよね。
「自分でやってよ」という理不尽さを感じながらも、毎日主婦たちは頑張っています。
(11) 電気を消す
ただ「ポチッ」と押すだけなのに、家族が電気を消してくれなければそれさえも主婦の名もなき家事と化します。
こんな風に家族に知らせる張り紙を作る時間さえも、モヤモヤする時間ではないでしょうか?
(12) 古紙回収に出す
定期的にやってくる「古紙回収」に向けて、重たい新聞紙や雑誌をまとめる作業は大変!
ダンボールをまとめてしばり上げる作業も、「これは男の仕事では?」とモヤモヤしますよね。
放置すればただただ山積みになってしまい、結局最後は諦めてゴミ収集場まで運ぶ道しか残されていななんて。
こんなとき主婦は、どこか寂しさや虚しさに襲われてしまいます。
(13) タンスの引き出しをしめる
「家事が終わった!」と喜びを感じたときに目に飛び込んで来るこの光景。
なぜ?と疑問にすら感じて思わず笑いをこみ上げてしまうこともある、出っぱなしのタンスの引き出しです。
ただ押すだけで済むはずなのに、毎朝ぐちゃぐちゃになるのはなぜでしょうか?
そもそも「名もなき家事」が生まれる原因とは?
どうして家事に振り回されてしまうのでしょうか?
ふと「なぜ家事ばかりしているのか」と我に返ること、ありますよね。
家族がゴロゴロしている中、自分ひとりだけが家事に追われていると理不尽さすら感じてしまうでしょう。
そもそも「名もなき家事」が生まれてしまう原因を考えてみると、とても単純なことに気がつきます。
多くは夫の無意識によるもの
「しょう油取って」「アイロンかけておいて」と夫が何気なく頼むことから、主婦の名もなき家事は増えていきます。
何よりも、夫が家事だと認識していないのことが大きな原因です。
「ちょっとした頼みごと」と思い込んでいるので、無意識に夫婦間の誤差を広げてしまい、妻が大きなストレスを抱える結果に。
どんなに小さなことでも「家事」に値するんだという、夫の意識改革が必要です。
たとえば、リモコンの電池がなくなっても「これも家事だ」と感じ、自ら動かない限りは名もなき家事は減りません。
主婦という義務感
「家事=主婦のしごと」「やって当たり前」という古い考えは近年変わってきているとはいえ、まだまだ男女平等ということにはなっていません。
育児に仕事と忙しい日々の上に、さらに家事に追われてしまうと「なぜ私ばかりが?」という思いに駆られてしまうでしょう。
「主婦だから」という義務感さえなければ、家事ばかりに捉われる生活から解放されるはずです。
名もなき家事が多すぎる人の3つの対処法
「家事が嫌ならやめてしまえばいいのかも」「家事さえなければストレスがたまらない」という考えを、1度くらい持ったことはないでしょうか。
しかし家事を放棄してしまえば、もちろんですが家庭は大変なことになりますよね。
ですが、「このままではイライラが積もって本当につらい・・・」と感じてしまう人は、名もなき家事が多すぎる人の対処法を参考にしてみてください。
対処法1.家事を見える化する
「気づけば1日中家事に追われている」という人は、家事を見える化するためにリストアップをしましょう。
ムダな家事を見つけ出して、自分の時間を作ることを目標にしてください。
家事のリストアップは、「ノートに書き出す」のもアリですが、修正しやすい「ホワイトボード」もおすすめです。
朝からタイムラインスケジュールを見える化し、省ける家事がないか見つめ直してみてください。
また、家事の管理にはスマホアプリも上手につかいましょう。
「タスク系アプリ」に「やることリスト」をリストアップし、さらに家事の周期を「毎日」「週1回」「月1回」と分類します。
- ワイパーをかける→毎日
- エアコンのフィルター掃除→週1回
- 台所の換気扇掃除→月1回
このように見える化にすることで、「これは月1回で充分かも」「毎日やらなくていいかも」と思う小さな家事が見つかります。
また、夫が手伝っている家事がどのくらいあるのかもリストアップしてください。
家事分担の割合がほぼ妻にのしかかっている状態を見せることで、家事の苦労をしらせることができます。
対処法2.時短家事で効率アップ
もっとズボラに家事をこなすことで、気持ちがストンと楽になるので「時短家事」を意識してみましょう。
料理に「レンジ調理」を取り入れてみる、掃除は水拭きワイパーとハンディモップやコロコロをつかって掃除機をかける頻度を減らすといった要領で、気持ちが楽になる時短家事を取り入れてください。
最近では放ったらかしでOKな便利な洗剤や家電も増えていますが、できるだけシンプルにして物を増やさない方が失敗がありません。
物は減らすようにした方が片付ける回数が減ります。
この機会にミニマリストを目指すのもいいですね。
対処法3.いっそ家事をやめる
そもそも「家事が苦手」という方であれば、思い切って「家事をやめる」のはいかがでしょうか。
これは完全にやめるのではなく、料理が苦手ならお惣菜や冷凍食品を利用したり、掃除はプロにまかせることもできます。
名もなき家事が面倒に感じてしまうのは、時間にゆとりがない人が多いです。
買い物に行く手間が大変であれば、堂々とネットスーパーを利用をすればストレスがうんと減りますよ。
夫との家事分担は現実的に難しいとあれば、こうした便利なアイテムやサービスをどんどん利用してもいいのではないでしょうか。
まとめ
「名もなき家事」というテーマをお伝えしてきましたが、どこか仕方がないようですが「ここは夫が自分でやるべき」と改めて気づくきっかけになりますよね。
もししょう油をいつも戻し忘れてしまう人であれば、せめて「いつもありがとう」という感謝の気持ちを伝えるべきではないでしょうか。
毎日夫の尻拭いをしている気がする主婦の方はぜひ、「名もなき家事」の本を読んだり、主婦たちの投稿を読んで「クスッ」と笑ってみてください。
「自分だけではない」と思うだけでも、心が元気になりますよ。