冬のお鍋には欠かせない食材と言えば魚の「ぶり」
栄養満点でお子さんにも食べさせたいぶりですが、寄生虫がいることをご存知でしょうか?
お子さんに食べさせると思うと、寄生虫がいるのは大問題ですよね!
ここではぶりに寄生する寄生虫の種類・見分け方や、対策をお話していきます。
さらに、寄生虫がいても安全に食べられるレシピもご紹介するので、安心・安全にぶりが食べられるよう、寄生虫の知識を覚えておくと良いですね。
ぶりの寄生虫は主に2種類

魚料理としてとても身近なぶり。
1年を通してスーパーに並んでいるありがたい食材でもありますね。
そんなぶりに寄生する主な寄生虫は2種類います。
それぞれどんな寄生虫なのか、一番気になるのは「食べしまっても問題ないのか」ということですよね。
まずは2つの寄生虫の特徴を覚えていきましょう。
寄生虫1.ぶり糸状虫

ぶり糸状虫は、その名の通り糸状の形をしています。
ただし糸とは形ばかりで、ミミズのようにしっかり太さがあります。
この糸状虫はどのブリにも寄生しているのかというと、そういうわけではありません。
一年を通して食卓に並ぶぶりですが、天然ぶりの旬は冬。
冬以外にスーパーに並んでいるぶりは養殖で育てられたものなんですね。
養殖では寄生虫などが宿らないように徹底的に管理されているので糸状虫が寄生しているとすれば冬の天然ぶりだけ。
とは言え、もし間違って食べてしまったとしても大丈夫!
糸状虫は人体に害をもたらす寄生虫ではないからです。
寄生虫2.アニサキス

気を付けなけらばならないのはアニサキスという寄生虫の方です。
こちらも養殖ぶりに寄生していることはありませんが、天然ぶりに寄生している可能性は大いにあります。
このアニサキスを口にしてしまうとどうなってしまうのでしょうか。
食後2~10時間後に激しい腹痛や嘔吐が始まり、緊急入院になるくらいのひどい症状が起きます。
お腹をぎゅーっと締め付けられるような痛みが断続的に続くとのことです。
ただし一般的な食中毒との大きな違いは、吐しゃ物は胃液だけで、下痢などはあらわれません。
お腹がぎゅーっと締め付けられるのに、下痢として出せないのは逆に辛いところです…。
形状は糸状虫と同じく糸のような見た目なので、きっとぶり糸状虫だろうとうっかり食べてしまう人もいるんですよね。
2種類の寄生虫の見分け方

うっかりアニサキスを食べてしまわないように、糸状虫とアニサキスを見分けられるようになりたいですよね。
続いてはこの2種類の見分け方を覚えていきましょう。
どんなところに注意して見れば良いのか、4つのポイントに分けてお話しています。
見分け方1.大きさ
まず寄生虫の見分け方として考えられるのは大きさです。
先ほどもお話しましたが、ぶり糸状虫はミミズのような大きさで目視でもハッキリと確認が出来ます。
それに比べてアニサキスはよく目を凝らしてみないと分からないくらいの大きさです。
形状は糸のように細長いのは同じですが、大きさの違いは一目瞭然!
糸状虫は食べてしまっても問題ないのですが、はしでつまんでとれる大きさの為とる人がほとんどです。
見分け方2.色
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続いて見分けられるポイントは色!
糸状虫は赤くアニサキスは白いのが特徴です。
ミミズのようで赤い容姿とはやはりグロテスクですね…。
一方でアニサキスは小さい上に白いのでスジのようにも見え「これが寄生虫なの?」と判別しにくいので注意してみなければいけません。
見分け方3.発見場所
どっちの寄生虫?と分からなくなったら、発見場所がヒントになります。
糸状虫が赤い理由は、ぶりの血を吸っているからです。
なので血合いの近くで発見して赤いのであれば糸状虫、血合いから離れた場所で白ければアニサキスと判断して間違いないでしょう。
見分け方4.季節
また季節も重要です。
ぶりの旬は冬なので、それ以外の季節は養殖のぶりになります。
ですから、寄生虫を気にしなければいけない天然ぶりの季節である冬は要注意!
冬以外に買ったぶりに白い糸のような物が見られても、寄生虫ではなくスジや繊維だと思われます。
「冬以外でも、やっぱり心配だな…」という方は、購入する際パックのラベルを確認し「養殖」と明記されている物を選ぶと良いですね。
アニサキスを回避する4つの対策

「アニサキスが怖いからブリを食べるのはやめよう・・・」
「見分けられる自信がない・・・」
とぶりに対してナーバスになっている方、安心してください!
天然ものでアニサキスがいるかもしれないぶりでも、きちんと対策をとれば問題なく食べられます。
続いてはアニサキスの対策として4つの方法をご紹介します。
対策1.すぐに解体し内臓を取る
まずアニサキス対策として出来ることの1つは、すぐに解体し内臓を取ることです。
ぶりは切り身が多く、丸々一匹買うことはあまりないかもしれませんが、もしも一匹買って来たら出来るだけ早めに解体しましょう。
釣りをして釣ってきた時もそうですね。
アニサキスは内臓に潜んでいることが多く、増殖する前に切り離すことが第一に出来る対策方法。
とは言え内臓だけにいるとは限りません。
身の方にいることももちろんあります。
解体しおろしたら、身もよく見てチェックしましょう。
対策2.加熱して食べる
アニサキスは小さく細いため、完全に目視で取り除くことは難しい場合もあります。
そんな時は加熱するのもアニサキスを死滅させるのに有効な対策です。
焼く・煮る・蒸す・油で揚げると加熱方法はどれでも良いのですが、大切なのは温度と時間です。
アニサキスの死滅には60℃以上の温度で1分は加熱する必要があります。
一見ぶりしゃぶも加熱クリアのように見えますが、ササッと熱湯にくぐらせるだけの人は1分も加熱していないこともありますね。
これではアニサキスが完全に死滅していないため、安全とは言えません。
他の加熱した料理で食べたほうが安心ですね。
対策3.一度冷凍させる
どうしても火を通さず刺身やカルパッチョで食べたい!という方もいますよね。
そんな時は一度冷凍させるのも1つの方法です。
アニサキスだけでなく糸状虫も寒いところが苦手な寄生虫。
冷凍させすればどちらも死滅するため、とても有効な方法なんですね。
冷凍から解凍させた刺身はビチャビチャして鮮度は落ちるものの、アニサキスにおびえることなく安心して食べられます。
冷凍させる時のポイントは、マイナス24℃以下であり1日以上冷凍させることです。
丸1日以上冷凍させないと完全に死滅しないため、必ずこの条件を守ってくださいね。
対策4.よく噛んで食べる
「加熱処理や冷凍をしても心配・・・」という方もいることでしょう。
そんな時はよく噛んで食べることをおすすめします。
何度も何度も噛み、アニサキスの体をちぎることができれば死滅させられます。
元気なアニサキスがひとたび胃に入ってしまうと、激しい嘔吐や腹痛を回避することはできません。
ですから胃に入る前の段階で死滅させるためによく噛むのです。
ただ心配な気持ちを抱えたまま食事をしても、美味しく感じないと思いませんか?
旬の冬だけはぶりを買わず、きちんと処理された店で食べた方が安心と言えるでしょう。
ぶりを加熱したおすすめレシピ4選

「寄生虫を気にせず安心してぶりを食べたい!」
「加熱した料理をもっと知りたい!」
という方のために、加熱するレシピを4つご紹介しましょう。
煮る・焼く・揚げると様々な加熱方法で、夕飯のレパートリーを増やしてみてくださいね!
レシピ1.ぶり大根

まずぶりを使った料理として代表的なぶり大根をご紹介!
ぶり大根を作る時は切り身になって売られているものを買うと手っ取り早いですよ。
ぶりには独特の臭みがあるため、料理を開始する前に下処理をするとより美味しく食べられます。
ゆずやショウガの千切りも相性抜群なので、その日の気分で変えてみてくださいね。
【ぶり大根の作り方(4人分)】
材料:ぶり4切れ、大根20cm、塩・・・少々、水・・・300ml、酒・・・100ml、醤油・・・大さじ4、みりん・・・大さじ2、砂糖・・・大さじ3
- <下処理>少々塩を振り、上から熱湯をかける
- 大根の皮をむき、1cmの半月切りにする
- ぶりと大根を鍋に入れ、しょうゆ・砂糖・酒を入れて煮込む
レシピ2.ぶりの照り焼き

こちらもぶりの代表的なレシピ、ぶりの照り焼きです。
ぶりの照り焼きは後々焼くので、熱湯をかける下処理の仕方はおすすめできません。
臭み取りは塩を振り、キッチンペーパーにくるんで20分ほど放置すればOK!
油を薄く引いたフライパンで焼き目をつけていくのですが、薄く小麦粉をまぶすとパリッとした食感が残り美味しいのでおすすめですよ。
甘辛のぶりの照り焼きは子どもウケもよくご飯がすすみますね。
【ぶりの照り焼き(4人分)】
材料:ぶり・・・4切れ、塩こしょう・・・適量、小麦粉・・・大さじ4、醤油・・・大さじ3、酒・・・大さじ3、みりん・・・大さじ3、砂糖・・・大さじ2
- <下処理>塩をふり、キッチンペーパーにくるんで20分おく
- ぶりに塩こしょうをし、小麦粉をまぶす
- 油をひいたフライパンでぶりを焼く
- 火が通ったら、醤油・酒・みりん・砂糖を入れる
- 煮詰めて完成
レシピ3.ぶりの唐揚げ

唐揚げと言えば鶏肉のイメージが強いですが、たまには気分を変えてブリの唐揚げはいかがでしょうか。
ふっくらとした唐揚げで幸せな気分になります。
魚料理が苦手なお子さんがいても、これならパクパク食べてくれそうですよね。
唐揚げの下味はご家庭によって違いもありますが、しょうゆ・酒・しょうがのすりおろしがベース。
ジップロック等に入れて揉み込み、半日ほど放置すると味が染みてより美味しくなりますよ。
【ぶりの唐揚げの作り方(4人分)】
材料:ぶり・・・4切れ、醤油・・・大さじ3、酒・・・大さじ3、生姜のすりおろし・・・小さじ1、塩・・・少々、片栗粉・・・適量
- ぶりを洗い、キッチンペーパーで水気をふきとる
- ぶりを一口大に切る
- ポリ袋にぶりと酒、塩を入れ揉む
- 3に醤油、生姜をいれてよく揉む
- 10分以上放置する
- 水気をとり、片栗粉をまぶす
- 170度の油でキツネ色になるまで揚げる
レシピ4.ぶりご飯

最後にもう1つ美味しそうな加熱レシピをご紹介します。
炊き込みご飯にぶりを入れるというのは発想になかったです!
ほんのり焦げているところも食欲をそそりますよね。
鶏肉の炊き込みご飯のように、調味料と一緒に炊飯器に入れてスイッチを入れるだけというお手軽さも嬉しいポイントです。
ぶりの切り身の他にごぼうや人参・油揚げなども一緒に入れるとさらに鮮やかになり、1杯でも十分食べ応えがあります。
切り身と一緒に調味料を入れるだけでも良いのですが、酒としょうゆに10分ほど漬け込み、下味をつけておくとなお味が染みて美味しくなりそうですね!
【ぶりご飯の作り方】
材料:ぶり・・・2切れ、米・・・2合、人参・・・1/4本、生姜すりおろし・・・小さじ1、油あげ・・・1枚、醤油・酒・みりん・・・各大さじ1.5、砂糖・・・小さじ1、顆粒だし・・・小さじ1
- <下処理>少々塩を振り、上から熱湯をかける
- 人参を薄切り、油あげを1cmの細切りにする
- 米を洗い、醤油・酒・みりん・砂糖・顆粒だし・生姜すりおろしを入れる
- 3に2合のメモリまで水をいれ混ぜる
- 4にぶり、人参、油あげをいれる
- 炊飯器で炊く
まとめ
ぶりには、主に2種類の寄生虫がいて、アニサキスという寄生虫は大変危険だということが分かりました。
しかし、しっかりと対策をすれば美味しくぶりを食べることができます。
美味しいだけでなく安全に食べられるよう、十分気を付けて旬のブリを楽しんでくださいね!