「大根をしっかり煮込んだのに苦い・・・」
「どうしたら苦みを感じず美味しくなるの?」
とせっかく作った大根料理が苦くなってしまうとがっかりしますよね。
いつも通り作ったつもりが、日によって美味しかったり苦かったり・・・。
これって一体何が違うのでしょうか?
ここでは、大根が苦い理由や苦みを取る方法・美味しい大根の見分け方やどんな料理に向いているのかをお話していきます。
最後は苦みを感じないレシピも紹介するので参考にしてみてください。
これでもう「大根が苦い!」なんて言わせません。
大根が苦いのには理由がある!
なぜ大根が苦くなってしまったのでしょうか?
何気なく使っていた大根の部分や下準備が間違っていることもあります。
まずは大根の基本的なことをおさえ、苦くなってしまった理由を見直してみてくださいね。
理由1.旬の大根でない
大根が苦い理由でまず考えられるのは、旬の大根でないことです。
1年を通してスーパーに売られている大根。
価格の変動もそこまで激しくなく、いつが旬か分からないという方も多いのではないでしょうか。
大根には秋から冬にかけて市場に回る「冬大根」と春から夏が旬の「夏大根」という2種類に分かれます。
冬大根は寒さにさらされ甘みがギュッと詰まっているのに対し、夏大根は甘みが少なく苦みと辛みが強いのが特徴です。
ですから夏に大根料理をする際は、より苦み対策をとった方が良いということですね!
理由2.皮を薄く剥いている
続いて考えられる大根が苦い理由ですが、皮を薄く剥いている場合です。
大根の皮にはポリフェノールという成分がたくさん含まれています。
ぶどうやワインをイメージすると分かりやすく、ポリフェノールには渋味や苦みが含まれているのです。
もちろんポリフェノールは栄養素として優秀なのですが、大根の苦みを抑えたい場合は皮を厚めに剥くことをおススメします!
理由3.使用部位が下部
大根の苦みは使用部位にも大きく関係しています。
スーパーに買い物へ行くと、大根を半分に切って売られているのを見かけますよね。
「まるまる1本は使い切れる自信がない」と半分の大根を買う方も多いのではないでしょうか。
葉の方としっぽの方と半分に切られて売られている大根ですが、あなたはどちらを買いますか?
葉の方が売り切れていてしっぽの方しか買えなかった…という場合もありますね。
大根は部位によって糖度が違います。
葉に近い部分は甘く、しっぽに近い方は辛み・苦みが強いのです。
理由4.大根に筋が残っている
皮を剥いたすぐ下は繊維質がたくさん詰まっている筋になります。
こちらも皮と同じく苦みを感じやすい部分なんですね。
筋をしっかりと省いておかないと、煮物をしても味が染み込まず、苦いという印象が残ってしまいますよ。
大根の苦味をとる5つの方法
「大根が苦い理由は分かったけど、どんな対策をすれば良い?」
「夏の大根料理はやめた方が良いのかな?」
と思ってしまいがちなのですが、きちんと苦みを取る方法を実践すれば問題ありません。
ただし調理の仕方によって対策が異なります。
煮物にする時とサラダなどで生のまま食べる時に同じやり方は通用しないのです。
5つの方法をご紹介しますので、何の料理を作るのかによって使い分けていきましょう。
方法1.厚めに皮を剥く
まず厚めに皮を剥くことは加熱する場合にも生で食べる場合にも出来る方法です。
筋が残らないよう、ちょっと大げさに剥く必要があるため、ピーラーで剥くと苦みが残ってしまうこともあります。
また厚めに剥いた皮も捨ててしまうのはもったいない!
ポリフェノール成分も余すことなく摂取したい人は、大根の皮を使った漬物やきんぴらがおすすめです。
濃い目の味付けで苦みをカバーしましょう。
方法2.米の研ぎ汁で下茹で
おでんやふろふき大根など輪切りで大根を煮る料理をする際は、米の研ぎ汁で下茹でをすると良いですよ。
下茹でにはアクやえぐみ・大根が持つ臭みも一緒に取り除いてくれる効果があります。
他にも味を染みやすくしたり、大根を白く仕上げる効果も期待できるのです。
ではなぜ下茹でに米の研ぎ汁を使うのでしょうか?
米の研ぎ汁で下茹でをすると輪切りの真ん中がへこまずにキレイな形で煮えるからなんだとか!
昔の人の知恵袋といったところですね。
もし研ぎ汁がなければ、米をおちょこ1杯分一緒に鍋に入れて茹でると、同じ効果が期待できますよ。
方法3.繊維の向きに気を付ける
また、切る時に繊維の向きに気を付けることも大切です。
大根の繊維は縦に走っていて、繊維質が苦いと感じることもあります。
繊維を断ち切るような切り方を心がけるだけで、苦みを抑えられるのですね。
方法4.水にさらす
水にさらすことも大根の苦みとり効果があります。
おでんやふろふき大根のような煮物にする場合、下茹でした後に水にさらすのがタイミングとしてGood!
5分ほど水にさらすと苦みが溶けだしてくれます。
とにかく苦みが嫌…という方は水を2回替えて10分以上さらすと良いでしょう。
ただし苦みが抜けていくのと同時に旨み成分も一緒に逃げていくので、頃合いをみて水からあげてください。
方法5.塩で揉む
大根サラダのように生で食べたい場合、塩で揉むのも1つの方法です。
やり方は食べやすい大きさに切り、塩をひとつまみ入れしばらく放置するだけ。
大根から出てきた水気を絞ると、苦みも一緒に流れてくれます。
しんなりして食べやすくもなるので、塩揉みはおすすめの方法です。
美味しい大根の5つの見分け方
続いては美味しい大根の見分け方をご紹介していきます。
特売で激安と飛びついたは良いけど、家に帰って切ってみたら中身がスカスカだった…なんてことにならないように、あらかじめ美味しい大根の見分け方を知っていれば安心ですね!
まるまる1本の場合だけでなく切り売りされている場合のポイントもおさえていきましょう。
見分け方1.まっすぐで丸みをもった大根
まず美味しい大根のポイントはまっすぐで丸みをもった大根です。
たまに見かける2股などに分かれている大根。
約2本分でラッキー!…なんて見た目に惑わされてはいけません。
美味しい大根はまっすぐ伸びた丸みのある大根なんです。
2股になってしまう理由は様々なのですが、土が合わなかったり、養分を吸えなかったりと味はいまいち。
曲がっている大根もストレスを感じ育ったので、辛みが増しているのです。
ずっしり太くて身が詰まっている大根こそ美味しいものなので、お間違えなく!
スーパーで大根がたくさん並んでいたら実際に手に取り、重さを比較してみるのもアリですね。
見分け方2.ヒゲが少ないもの
ひげが少ないのも美味しい大根の特徴です。
大根の表面をよく見ると、ひげが生えている毛穴のようなものがぽつぽつと並んでいます。
これをひげ根と言います。
水分をしっかり吸い、ストレスなくまっすぐ育った大根にはひげ根の数は多くありません。
ひげがたくさん生えているかは、パッと見ても判断がしやすいので、美味しい大根なのかそうでないのか見分けやすいポイントになりますね。
表面がでこぼこと不揃いな場合もうまく成長できなかった証拠です。
見分け方3.身がしまっている
身がしまっているのも美味しい大根と言えます。
新鮮さが失われた大根はブヨブヨと張りが無くなり、触るとすぐに分かります。
色が白くパンッと張りがある大根を選ぶと間違いないですね。
張りはあるのに、大根本体の色が黄色かかってきている場合は鮮度が落ちている証拠。
スーパーであまりにベタベタ触るのはよくありませんが、見た目を確認し1つ2つ触って確かめるのは問題ないでしょう。
見分け方4.葉が生き生きしている
葉が生き生きしているのもチェックすべきポイントです。
よく買い物に行くスーパーは大根を葉付きで売られていますか?
「どうせ捨てるだけだから…」と葉付きの大根を敬遠するのではなく、ぜひ鮮度を見て欲しいのです。
葉が生き生きしていれば新鮮で美味しい大根と言えます。
逆にしなっていたり、黄色がかっていたり、葉の根元から切られて販売されていた場合は要注意!
すでに鮮度は落ち、もう少ししたらラップで巻かれ見切り商品へと降格するレベルです。
大根の葉も色々なレシピに使える大事な食材なので、葉付きの大根が売られていたらぜひ購入しましょう。
見分け方5.切り口がみずみずしくきめ細かい
丸々1本は食べきれないから…とカットされている大根を買うこともありますよね。
そんな時に注意してみて欲しいのは切り口の状態です。
新鮮な大根は、みずみずしくきめも細かいのが特徴。
逆に鮮度が落ちている大根は、張りがなくしぼんでいるように見えます。
でこぼことした切り口になっているのも、中の水分が抜けて美味しくなくなっている証拠です。
細かいところですが、せっかく買うのですから美味しいものを選んでくださいね。
大根はどんな料理に向いてる?
大根の部分によって料理をかえると、より美味しく大根を味わうことができます。
大根は上部、下部、中部と微妙に味が違い、向いている料理が違うのです。
丸々1本の大根を無駄にしないために、計画的にレシピを組んでいくと良いですね。
部分1.葉
そもそも大根の葉を食べる習慣はないという方も多いのではないでしょうか。
しかしただの葉っぱと侮るなかれ!
実は小松菜に負けず劣らない栄養素がぎっしり詰まった立派な緑黄色野菜なのです。
βカロチン・ビタミンC・ビタミンK・葉酸・カルシウム・カリウムなど。
ただ食べるとなるとやや苦みが強く、あくもあるのが難点です。
水に溶けてしまうビタミンCが含まれているため、あく抜きはさっと茹でるだけにし、炒め物やふりかけ・味噌汁の具として使うのが良いでしょう。
細かくみじん切りにし、じゃこや鮭・ごまなどと混ぜると美味しいご飯のお供になりますよ。
部分2.上部
続いて葉に近い上部の部分は、辛みが少なく、生食としてサラダなどに向いている部分です。
また揚げ出し豆腐や焼き魚に添える大根おろしとして使うのもおすすめ!
辛みが少なくクセもないため、どんな料理にもうまくマッチしてくれます。
スーパーで半分にカットされている大根を買うのなら、上部の方を買うと料理のレパートリーが広がりますよ。
部分3.中部
次に大根を3等分にした時真ん中に来る中部の部分です。
こちらの部位の特徴としては、水分が多く辛みも少ないこと。
輪切りにしておでんの具にしたり、ふろふき大根・煮ものの具として料理するのがおすすめです。
味が染みてジューシーに出来上がりますよ!
辛みも少なめですが、上部に比べるとやや辛みを感じやすくなります。
サラダにも出来ますが、出来るだけ細く千切りにしたり、マヨネーズと混ぜて食べやすくするなど一工夫があると良いでしょう。
部分4.下部
最後に大根の下部の部分です。
大根の下部は、辛みが強い部分になります。
辛い大根がお好みの方を除き、生食で食べるのはおすすめしません。
さらに水分も少なめの部位なので、ジューシーさも欠けてしまいます。
ですから味噌汁の具にするなど汁物に混ぜてしまうのもありです。
また辛みを気にせず食べるには、漬物にするなどしっかり味を付けてあげましょう。
きんぴら大根も食べやすく、お子さんに人気がありますよ!
苦くならないおすすめの大根レシピ3選
さて、最後におすすめの大根レシピをご紹介していきます。
大根のネックとなる苦みや辛みも、どう料理するかで全く気にならなくなります。
大根料理がマンネリしてきたら、ぜひ挑戦してみてくださいね!
レシピ1.大根と手羽元の煮物
まずおすすめしたいレシピは、@sararu194さんがご紹介する大根と手羽元の煮物です。
しっかり味が染みていてジューシーな大根が食欲をそそる1品!
今人気のココット鍋でコトコト煮込んで作っています。
煮物はとにかく時間をかけて煮込むのが美味しくなるコツ。
大根の煮物は中部で適度な厚みに切ってくださいね。
【大根と手羽元の煮物の作り方】
材料:手羽元 8〜10本、大根 2分の1、しょうゆ 大さじ3、みりん 大さじ3、砂糖 大さじ3、酒 大さじ3、水 200ml
- 大根を半月切りにする
- 手羽元をフライパンで焼き目がつくまで焼く
- しょうゆ、みりん、砂糖、酒を入れて煮込む
- 大根を入れて落とし蓋をして弱火で煮込む
- 20分ほど煮込んだら冷めるまで放置して味を染み込ませる
レシピ2.焼き大根
出典:Instagram(@yuya.1985_cuisine)
苦み対策で煮ようと思ったけど、そこまでの時間がない…という時はフタをして蒸し焼きにするのがベスト!
余計な水を入れなくても、大根から水分が出て自然と蒸し焼き状態になりますよ。
レンジを使えば、簡単に柔らかく美味しい一品に仕上がります。
【焼き大根の作り方】
材料:大根 10cm、バター 5g、しょうゆ 大さじ1
- 大根を2cmの厚さに切り、十字に切り込みをいれる
- 耐熱皿に大根を入れ、ラップをしてレンジで600w4分加熱する
- フライパンにバターを入れて溶かし、大根を入れる
- 両面焼いたらしょうゆをかけて焼き色がつくまで焼く
レシピ3.大根の葉のわさび和え
出典:Instagram(@mazeramble_miyoshi)
苦みが気になって大根の葉は捨てている方、その苦みも旨みに変えてみましょう。
わさびで辛さをつければ、大人のおつまみに大変身!
お酒のつまみにも、ちょっとした箸休めにもちょうど良い1品になりますね。
わさび和えの作り方はとっても簡単。
捨ててしまうはずだった食材を手軽に食べれるのはとってもエコですね。
【大根の葉のわさび和え】
材料:大根の葉 1本分、塩 小さじ1、わさび 適量、かつお節 お好みで
- 大根の葉をきれいに洗い、3〜4cmの幅に切る
- 葉を1分ほど茹で水にさらす
- 2をよく絞り、ボウルに入れる
- 3に塩とわさびを入れて和える
- お好みでかつお節をふって完成
まとめ
どうしようもないと諦めていた大根の苦味も選び方や調理の仕方で美味しく食べることができます。
まずは新鮮で旬の大根を買うことが大切ですが、皮を厚めに剥くことや下茹で・塩揉みと苦み対策はたくさんあります。
大根の特性を頭に入れ、より美味しい料理へと変身させてくださいね!