きび砂糖は赤ちゃんにあげても大丈夫?注意点と離乳食レシピ

きび砂糖 育児

健康にいいと言われるきび砂糖。

「きび砂糖って他の砂糖と何が違うの?」

「赤ちゃんには食べさせても大丈夫?」

ときび砂糖のことをなんとなくしか知らないという人も多いのではないでしょうか。

確かに砂糖と言っても、上白糖・三温糖・てんさい糖・黒糖・きび砂糖と種類が豊富で違いがわからないですよね。

今回はきび砂糖にスポットを当てて、どんなメリットがあるのか、赤ちゃんに食べさせない方が良いというのは本当かお話していきます。

正しい知識を持てば、安心して口にすることが出来ますよ!

きび砂糖とは?

きび砂糖とは

まずは、きび砂糖の基本的なことをおさえていきましょう。

きび砂糖に含まれる栄養素や上白糖との違い、さらには気になるカロリーまで知っておいて損はないですよ!

上白糖との違い

ではきび砂糖と上白糖の違いはなんでしょうか?

上白糖と言えばどのご家庭でも常備しているいわゆる普通の砂糖。

白くてサラサラしていて、代表的な砂糖ですよね。

薄い茶色をしたきび砂糖とは全くの別物のように見えますが、実は上白糖も原料はさとうきびとさとう大根(てんさい)なんです。

どうして色が違うのか。

それは、精製する方法にあります。

上白糖は精製過程で不純物やミネラルを全て取り除くのに対してきび砂糖やてんさい糖・黒糖など色がついた砂糖はミネラルを残した状態で仕上がったもの。

きび砂糖と上白糖の大きな違いは、栄養面において全く違うということです。

きび砂糖に含まれる栄養素

そもそもきび砂糖とは何から作られているものなのでしょうか。

きび砂糖は名前の通り、沖縄の名産であるさとうきびから作られたものです。

さとうきびには豊富なミネラルがあり、きび砂糖にも含まれます。

特にカリウムは他の砂糖に比べ含有量が多く、次いでマグネシウム・リン・鉄・カルシウム・ナトリウムも豊富です。

この栄養素の多くが「身体によい砂糖」というイメージを持たれる理由と言えるでしょう。

ただしきび砂糖に限らず砂糖を必要以上に摂るということは、生活習慣病の発症にも繋がるため、摂り過ぎには要注意ですよ!

きび砂糖のカロリー

そんな身体に嬉しいミネラルたっぷりのきび砂糖ですが、カロリーはどのくらいあるのでしょう?

きび砂糖のカロリーは、100g中396kcal。

他の砂糖はというと、上白糖384kcal・てんさい糖390kcal・三温糖382kcal・黒砂糖354kcal(すべて100g中)です。

比べてみるときび砂糖は、少し高めですが大差はありません。

色味が気にならない料理であれば、上白糖ではなく栄養が摂れるきび砂糖に代用してみてはいかがでしょうか。

きび砂糖の5つのメリット

きび砂糖 メリット

きび砂糖と上白糖では、あまり違いがなく価格の安い上白糖を選んでしまいがちですが、きび砂糖のほうがいいという理由があります!

続いてはきび砂糖のメリットを挙げていきます。

少々お高めのきび砂糖を使うメリットは栄養面だけではありませんよ。

メリット1.ミネラルが多く含まれている

やはり何と言ってもきび砂糖のメリットはミネラルが豊富に含まれていること。

ミネラルという要素は、ホルモンの合成や脳神経の発達に役立つ5大栄養素にも含まれる大事な栄養素なんです。

体の中で作ることができないため、食べ物から摂取するしか方法がないのも特徴。

水溶性なので必要以上のものは排出され、過剰摂取になることはありません。

ただしカリウムの含有量が高いので、腎臓病などでカリウムの摂取を控えている方は気を付ける必要があります。

メリット2.味にコクがあって深みが出る

きび砂糖を使うメリットは栄養面だけではありません。

味にコクがあって深みが出るため、美味しさもアップされます。

これは真っ白に精製された上白糖には出せない旨み成分!

さとうきび本来の持つ自然の風味なんですね。

特に時間をかけて味を染み込ませていくような煮物料理にはきび砂糖を使うのがおすすめ。

メリット3.粒子が細かくだまになりにくい

粒子が細かく、だまになりにくいのもきび砂糖のメリットと言えます。

きび砂糖は自然な甘みや香り豊かなことから、お菓子作りにも適していますよ。

例えばパンケーキやカップケーキなどの粉物を作る時、だまになりにくいのでさっと馴染み時短にもなるのです。

水溶性ミネラルたっぷりなのがプラスに働いていますね。

メリット4.照りが良く出る

料理によって照りが良く出るのもきび砂糖のメリットと言えるポイントですね。

旨み成分を多く持つきび砂糖。

ブリの照り焼きをした時に「照り感」が強く出たほうが美味しそうに見えると思いませんか?

別の言い方をすれば、色が濃くなるので煮物を作る時にも同じことが言えます。

食欲増進させるには、色味はとても大切!

こってりした照り焼きや里芋の煮っ転がし…想像しただけで箸が進みますね。

逆に鮮やかに仕上げたい料理の場合は上白糖と使い分けると良いですね。

メリット5.クセが強くないので料理に使いやすい

クセが強くないので料理に使いやすいのもきび砂糖をおすすめする理由です。

淡泊な上白糖に比べてしまうと、クセがあるように思えますが、黒糖と比べれば強くはありません。

精製過程でさとうきびのアクや苦みも取り除いていますので、どんな料理にも使いやすくなっています。

きび砂糖は赤ちゃんに食べさせてはダメ?

きび砂糖 赤ちゃん

ミネラルが豊富なきび砂糖ですが、上白糖よりもいいなら赤ちゃんに食べさせたいという思っている人もいますよね。

しかし、本当に赤ちゃんに食べさせても安全なのか不安にもなります。

ここでは、きび砂糖を赤ちゃんに食べさせても大丈夫なのか調査していきます!

きび砂糖にはボツリヌス菌がいる?

赤ちゃんにきび砂糖は食べさせない方が良いと言われる理由は、ボツリヌス菌が含まれているのでは?という疑問があるからです。

ボツリヌス菌とは海や川、湖や土壌と広く存在している菌のことです。

土壌で作られたさとうきびを原産とするきび砂糖もボツリヌス菌がいるのでしょうか。

もちろんその可能性はゼロではないですよね。

精製方法も上白糖と違い、完全には精製せず途中から糖液を煮詰めて完成させるため、除菌不足なのでは?と不安になります。

ボツリヌス菌を食べるとどうなる?

もしもボツリヌス菌を食べてしまうとどうなってしまうのでしょうか?

ボツリヌス菌と聞いて、パッと頭に思い浮かんだのはハチミツだったという方も多いかと思います。

乳幼児にハチミツはNG!ボツリヌス菌がいるから…というのは、今や常識かもしれません。

赤ちゃんがボツリヌス菌を食べてしまった場合、腸管内で菌が増殖し、便秘・筋力の低下・活力低下・哺乳力の低下・泣き声が小さくなるなどの神経症状が現れます。

早い段階で適切な治療を受けられれば良いのですが、最悪の場合死に至ることもあるのです。

また、後遺症で運動機能に問題が残ることもあるので、ボツリヌス菌がいる可能性がある食べ物は与えない方がいいでしょう。

市販のきび砂糖にボツリヌス菌がいない!

きび砂糖にボツリヌス菌がいるのではと不安になりましたが、市販のきび砂糖にはボツリヌス菌はいません!

ボツリヌス菌は120℃で4分以上加熱処理すると死滅します。

きび砂糖を作る過程でこの殺菌処理をしているため、ボツリヌス菌はいないと言えるのです。

各メーカーのホームページ等に記載されていますので、不安な時はホームページを確認したり問い合わせてみてください。

赤ちゃんにきび砂糖をあげる時の注意点

きび砂糖 注意点

きび砂糖は、安心して離乳食から取り入れても大丈夫な調味料です。

しかし、少し注意することがあります。

注意点1.いつからあげても良い?

赤ちゃんにきび砂糖はいつからあげても良いのでしょうか?

離乳食は個人差もありますが、5~6ヶ月頃は10分がゆから始め、7ヶ月頃に人参やカボチャをすりつぶしたものや豆腐を与えます。

きび砂糖は7ヶ月頃から少量ずつ取り入れてOKとなりますが、最初のうちは自然の甘みで十分。

あえて砂糖を加え甘みを付けなくても良いでしょう。

10ヶ月頃になり、使える食材や調理方法が増えてきたら取り入れてみるのはいかがでしょうか。

注意点2.1日何グラム?

では1日に何グラムほどあげて良いのでしょうか?

7ヶ月頃は一回の食事で2~2.5グラムまで、10ヶ月頃は一回の食事で3グラムまでを目安として使っていくのはOK!

きび砂糖を使わなくてもサツマイモやカボチャには甘みがありますよね。

砂糖を使いすぎると肥満に繋がったり、薄味のものを食べてくれなくなったります。

毎日ではなく時々、レシピにプラスして使うくらいに留めておくと良いですね。

注意点3.どうやってあげる?

栄養面で優れているきび砂糖ですが、離乳食に取り入れる場合はどうやってあげると良いでしょうか?

元々甘みのあるものに入れるのは、自然の甘みを邪魔してしまうのでおすすめできません。

白身魚の煮つけにひとつまみ入れてみたり、手づかみ食べが始まった頃粉物に甘みをつける際に入れてみるといいですよ。

離乳食の基本はとにかく薄味でOKなので、大人からしてみたら「たったこれだけで味が変わるのかな?」と思うくらい少量から始めてみてくださいね。

きび砂糖を使った離乳食レシピ5選

きび砂糖 離乳食

「きび砂糖を使った離乳食レシピが知りたい!」

という方に、きび砂糖を使ったレシピを集めてみました。

おやつレシピから食事の一品になるおかずレシピまで、きび砂糖を使ってぜひ挑戦してみてください。

レシピ1.パンケーキ

レシピ2.蒸しパン

レシピ3.寒天ゼリー

レシピ4.きんぴらごぼう

レシピ5.ほうれん草の白和え

レシピ1.パンケーキ

きび砂糖 パンケーキ 出典:Instagram(@mst__1123)

まずご紹介するのはパンケーキです。

離乳食後期になると、赤ちゃんもだんだん自分で食べたい欲求が出てきます。

スプーンやフォークはまだ上手に使えない場合でも手づかみ食べなら大丈夫!

ボロボロこぼれないので、後始末が楽チンなのもパンケーキのメリットです。

お手軽にホットケーキミックスでも作れますが「添加物とか気になる…」というママは、粉の調合から始めましょう。

そこにきび砂糖が加われば、ほんのり甘みのあるパンケーキが作れます。

カボチャやバナナ・刻み野菜とアレンジしてみてください。

【パンケーキの作り方】

材料:薄力粉 100g、ベーキングパウダー 小さじ1、きび砂糖 小さじ2、牛乳 100ml

  1. 材料を全て混ぜる
  2. フライパンに油を薄くひき生地を入れて焼く

レシピ2.蒸しパン

きび砂糖 蒸しパン

 出典:Instagram(@n.tk18)

蒸しパンもパンケーキ同様、粉から調合したいママに向いているレシピ。

お豆腐を入れると、一気にたんぱく質もビタミンも摂れるありがたいレシピですね!

ちょっとしたお出かけ中、小腹がすいて機嫌が悪くなった時などに重宝してくれそう。

ワンボール・シリコンカップで手軽に作れるのも何かと忙しいママとしては助かります。

【蒸しパンの作り方】

材料:薄力粉 200g、ベーキングパウダー 小さじ1と1/2、豆腐 150g、卵 1個、きび砂糖 大さじ1、人参 1/2本、牛乳 大さじ2

  1. 人参をすりおろす
  2. ボウルに薄力粉、ベーキングパウダー、豆腐を入れて混ぜる
  3. 2にきび砂糖と牛乳、人参を加えて混ぜる
  4. 3の生地をカップに入れる
  5. フライパンにカップを入れ、カップの半分くらいまでお湯を入れる
  6. 蓋をして中火にかける
  7. 沸騰したら弱火で10分蒸す

レシピ3.寒天ゼリー

きび砂糖 寒天ゼリー

 出典:Instagram(@_____k124h)

きび砂糖を使う寒天ゼリーもおすすめの離乳食レシピです。

腹持ちの良い粉物のおやつも良いのですが、夏は食欲が落ちる赤ちゃんもいるため、喉ごしの良い寒天ゼリーは最適!

ゼラチンはアレルギーがあるかもしれないため、月齢が上がらないと食べさせるのが怖いのに対し、寒天なら安心してあげられるのもメリットです。

ただし野菜ジュースにも甘みがあるので、きび砂糖は少なめにしておくと良いでしょう。

ジュースも赤ちゃん用の薄味のものから始めると良いですね。

【寒天ゼリーの作り方】

材料:粉寒天 2g、水 200ml、きび砂糖 小さじ2、お好みのジュース 100ml

  1. 鍋に粉寒天と水を入れて煮立たせる
  2. 沸騰したら弱火で3分温める
  3. きび砂糖を入れて混ぜる
  4. 火を止め、ジュースを入れて混ぜる
  5. 型に流し、冷やす

レシピ4.きんぴらごぼう

きび砂糖 きんぴらごぼう

 出典:Instagram(@_____k124h)

きび砂糖が使えるのはなにもおやつレシピだけではありません。

おかずレシピ、例えばきんぴらごぼうに使ってみるのもアリですね!

酒が含まれるみりんは赤ちゃんにはNG。

だけどきんぴらごぼうにしょうゆとダシだけだとしょっぱい味ばかりが目立ってしまいますね。

甘みをつけたいけどみりんは使えない…という時にきび砂糖を少々入れてみてください。

きび砂糖の風味・深みが美味しさを引き立ててくれますよ。

きんぴらごぼうだけでなく煮物を作る時にもおすすめです!

【きんぴらごぼうのレシピ】

材料:人参 1/4本、ごぼう 1/4本、水 100ml、しょうゆ 小さじ1/2、きび砂糖 小さじ1/2、白だし 小さじ1/2

  1. ごぼうはささがきにして水につけておく
  2. 人参は千切りにする
  3. 鍋にごぼうと人参、調味料を入れる
  4. 弱火で煮る

レシピ5.ほうれん草の白和え

きび砂糖 白和 出典:Instagram(@yummquck)

豆腐をつかったほうれん草の白和は、タンパク質とビタミンや鉄分を一緒に摂れる嬉しいメニュー!

ですが、味付けをしないと淡白になりがち。

醤油とほんの少し甘みも欲しいときにきび砂糖をプラスしてみましょう。

赤ちゃん用に取り分けをしたら、味付けをプラスして大人のおかずになるのも嬉しいレシピですね!

【ほうれん草の白和えのレシピ】

材料:ほうれん草 1袋、人参 1/2本、豆腐 1/2丁、きび砂糖 大さじ1/2、しょうゆ 大さじ1

  1. 人参を千切りにする
  2. 豆腐と人参をお湯で茹でる
  3. 豆腐と人参を取り出し、ほうれん草を茹でる
  4. 茹でたほうれん草を適当な長さに切る
  5. 豆腐としょうゆ、きび砂糖をボウルに入れて混ぜる
  6. 人参とほうれん草を加えて混ぜる

まとめ

きび砂糖は、ミネラルに優れているだけでなく、料理にも使いやすく、美味しさもアップする素晴らしい砂糖です。

赤ちゃんにあげるには心配とされるボツリヌス菌も、きちんと精製過程で処理されているため適度であれば問題なくあげられることも分かりましたね!

きび砂糖もあくまで砂糖の一種なので、摂りすぎないようバランスを見ながら上手に活用していきましょう。